【近鉄】さくらライナー初乗車! さくらライナーで行く 吉野 林業の町(1)
さくらライナーに初乗車!大阪阿部野橋から吉野へ
おはようございます!本日はさくらライナーに乗車して吉野に行こうと思います。
前回の「日帰り 近鉄大阪線スタンプ押し旅&伊賀観光」の2日後です。
こちら↓
本日も近鉄全線3日間フリー切符を使っていきます。1日目は大阪線スタンプ押し・伊賀観光編で使い、休息に1日空けて、今日の使用となります。休息日には大阪駅に「懐鉄入場券」を買いに行っていました。
大阪阿部野橋は近鉄南大阪線の起点駅。近くにはJR・大阪メトロの天王寺駅や阪堺電車の天王寺駅前駅などがあり徒歩で乗換ができますが、他の近鉄線や他社線と直接つながっている駅でないにもかかわらず、その乗降客数は近鉄一・二を争います。大阪の南の方からくる乗客はみんなこの駅で降りるからでしょうか。
調査年度によっては鶴橋駅が一位になることもあります。
少し早めに乗り場に行ったら回送の特急車両16000系がいました。1965~77年にかけて製造されましたが今も現役です。一部は大井川鉄道に譲渡され、旧塗装のまま普通列車として頑張っています。
「特急」のヘッドマークが自慢げについています。他の特急は方向幕も一緒についているのですが、この系列にはないので、乗務員室の台に置かれたボードで示しています。更新の際もこの部分が変えられることはありませんでした。
この編成は唯一の4両固定のものらしいです。珍しいものを見れたようです。
私が乗るさくらライナーの1時間後に青の交響曲が出発するようです。
さあ、さくらライナーがやってきました!4両固定です。思っていたよりフロントガラスが大きいですね!デッキからの展望も良さそうです。
ドアが開きました。早速乗り込んでみましょう。
さくらライナーにはデラックスシートとレギュラーシートがあります。デラックスシートは2+1列、レギュラーシートは2+2列の並びとなっています。どちらもゆりかご式リクライニングシートで個人の空間が確保されています。また座席の前後間隔もどちらも同じとなっています。
今回乗車したのはレギュラーシートです。レギュラーシートでもコンセントがあり、背面テーブルや、ひじ掛け内蔵のテーブルなど充実したシートとなっています。
吉野特急は特急料金の距離加算がないので、南大阪線・吉野線の区間はどこまで行っても特急料金は一律520円(レギュラー)です。これは通勤需要や飛鳥地区の観光客を新たに獲得するために90年代に特急停車駅が大幅に増やされたことで、運賃のみで乗車できる急行とほぼ同じ所要時間となったからです。
・吉野特急→所要時間:1時間15分 運賃990円 特急料金520円(レギュラー)
・吉野行き急行→所要時間:1時間35分 運賃990円
大阪阿部野橋を発車。今回も前面展望を見に来ました!アーバンライナーや伊勢志摩ライナーと同じく、座席からではなくデッキから前面展望を見ることができます。視界がとても広いですね。
大阪阿部野橋発車後はしばらく高架区間。大阪南部の住宅街の中を南へ駆け抜けます。
大和川を渡るとしばらくして高架区間が終わり、線路は地上に下りてきます。布忍を過ぎると、大きく左へカーブして東へ向かいます。
南大阪線で乗降客数が2番目に多い、主要駅の藤井寺を通過。普通列車(各停)の多くがこの駅までです。その他の普通列車(各停)は古市までです。
藤井寺の先は全国有数の古墳密集地帯を通ります。この辺で車窓から小さな山や丘のようなものが見えたらそれはたいてい古墳です。
藤井寺の次の土師ノ里(はじのさと)を過ぎると南大阪線で一番の大カーブを曲がります。特急もかなりスピードを落とします。これは元からあった道明寺線に南大阪線が後付けで合流するようにしたため、生まれたカーブです。カーブを曲がりきると道明寺駅です。道明寺線(終点:柏原)が分岐します。
道明寺のつぎは古市です。
古市は南大阪線で4番目に乗降客数が多い駅で急行の最初の停車駅です。特急は一部を除いて停車しません。さくらライナーも通過します。
この駅から長野線(終点:河内長野)が分岐します。そのため、長野線に行く列車の切り離しがよく行われます。今回も通過中にその様子を見ることができました。南大阪線では、切り離される列車にぼーっと乗っていると罠が発動してどこかに連れていかれることがあるので気を付けましょう。
古市を出ると南大阪線は大きく左へカーブして直進する長野線と分岐します。これも先ほどの道明寺カーブと同様、長野線が先に完成していた路線だからです。
古市を過ぎると、列車は奈良県へ向けて山越えを始めます。上ノ太子の手前から右側に並走しているのは南阪奈道路です。
上ノ太子にはみかん園があり、数年前に一度行ったことがあります。みかん狩りの季節になると近鉄の駅などに割引券付きのチラシが置いてあることがあります。駅前からみかん畑までバスが出ています。
次の二上山駅の近く(近くといっても2kmほど離れている)には奈良県指定天然記念物の屯鶴峯があります。1000万年以上前の二上山の火山活動によって堆積した火山噴出物が水中に堆積し、それが隆起・風化してできた貴重な地形です。この時は大学生が調査か何かをされていました。こちらもみかん狩りの際に立ち寄りました。
穴虫峠を越えて奈良県に入りました。奈良盆地に入ると畑が広がるのどかな風景となります。右手には双耳峰の二上山が見えます。大昔、二上山のサヌカイト(讃岐岩)は石器に使用されていました。今も周辺から遺跡や石器が発見されています。
車窓に住宅街が現れてくると、最初の停車駅である尺土に到着。尺土からは御所(ごせ)線が分岐します。南大阪線はその誕生経緯から支線が多いので面白い路線です。
尺土を出ると大和高田の市街地へ向けて走ります。つぎは高田市に停車。
高田市を発車すると市街地をはなれ、田畑の風景が戻ってきます。
しばらくして左手に橿原神宮の森林、右手に住宅街が広がるとまもなく橿原神宮前です。
南大阪線の終点はここですが、急行の一部や特急はこの先の吉野線へも進みます。橿原神宮前は帰りにも寄るので紹介はその際に。
吉野線最初の特急停車駅、飛鳥駅です。この駅から高松塚古墳や石舞台古墳などの古代歴史散策ができます。岡寺など寺巡りも。近鉄の「てくてくマップ」を見るのがおすすめです。
つぎに停車するのは隣の駅、壺阪山です。高松塚古墳と並んで壁画で有名なキトラ古墳の最寄り駅です。
壺阪山を出て西にカーブしてしばらくすると、直線的な線路が続きます。ここでは特急が最高速を出すことができるようです。
右手に砕石場の剥き出しの山肌が見えてくるともうすぐ吉野口です。JR和歌山線が隣に合流してきました。
吉野口駅はJR西日本と近鉄の共同使用駅で、JR西日本が管轄している駅です。そのため、駅名標はJR仕様です。窓口もJR西日本に委託してあります。また2番のりばの大阪阿部野橋方面と3番のりばの五条方面は同じホームで相互に乗換ができる、珍しい駅です。
吉野線の前身、吉野鉄道(開業時は吉野軽便鉄道、1913年に改称)は吉野口-吉野(現 六田)間で1912年開業。吉野杉の貨物輸送の際、この駅で省線和歌山線に乗り入れていました。その後、吉野線では1984年まで貨物輸送が行われていました。
吉野口駅を出発すると、吉野川沿いへ向け山を越え始めます。奈良県内の近鉄線で最も乗降客数の少ない駅である薬水駅(85人/日・2018年)を通過。
このあたりでは山の間を縫うように走行するのでまるで登山鉄道かのような展望をみることができます。細かいカーブが多いため、低速で走行します。
ちなみに前面(と後面)展望を見ることができるデッキには簡易シートが設置されており、座ることができます。他にも見たい人がいるかもしれないので、座れるからといってずっとかぶりついて見るのはやめた方がいいでしょう。
次に福神駅に到着です。近くに花吉野ガーデンヒルズがあることから駅舎は英国田園風だそうです。なるほどおしゃれな駅舎です(写真が悪くもったいない!)。
山を越え、下市口の近くに来ると木々の間に吉野川が見えてきます。
下市口駅に到着。下市口は吉野川対岸の下市町の入り口ということから名づけられました。かつて下市は吉野の商業中心地でしたが林業が衰退し人口が減ってしまい、今ではこの駅のある大淀町のほうが大きくなっているそうです。
下市口からは吉野川沿いを走りますが、しばらくは川との間に林や住宅などがあるのでまだはっきりと車窓に川が見えるような感じではありません。下市口の次に停車するのは六田駅です。
無駄、無駄となにかと駅名をイジられる六田駅ですが、その役割は決して無駄ではありませんでした。吉野鉄道時代はこの駅こそ終点(開業時)の「吉野駅」であり、大きなホームや機関庫を抱える駅でした。今もその痕跡は六田車庫に残されています。
吉野鉄道は1928年に吉野駅(現 六田駅)から現在の吉野駅までの延伸を果たします。その際にこの駅は六田駅に改称されました。そして吉野鉄道は大軌と大鉄の競争の末、大軌が吉野鉄道と合併、現在の近鉄吉野線となりました。
六田を発車すると吉野川とその周りの市街地がよく見えるようになります。
山手にある大和上市に向け標高を上げるので景色がとてもよく見えます。
トンネルを抜けると大和上市に到着。大和上市へは後で訪れます。
大和上市を出るといよいよ最大の見どころ、吉野川を渡ります。
吉野川橋梁は1928年に吉野鉄道が吉野駅まで延伸する際に架けたプラットトラス橋です。下から見るとかなりの迫力があります(次回以降紹介)。
吉野川を渡りきるとすぐに吉野神宮に到着します。ここも後で訪れます。
吉野神宮からは吉野へ向け、吉野川沿いを離れて山中を進みます。
大阪阿部野橋から1時間15分ほどの乗車で、終点の吉野駅に到着しました!
次回は吉野駅について紹介します。
【近鉄&伊賀鉄道】日帰り 近鉄大阪線スタンプ押し旅&伊賀観光(4)
近鉄大阪線 駅スタンプ押し巡り
前回はこちら↓
伊賀観光を終え、伊賀神戸に戻ってまいりました。大阪上本町まで一般車でスタンプラリーをしながら帰ります。
今日これまでに押してきた駅スタンプは、大阪上本町と榊原温泉口です。伊勢中川は押しそびれてしまいました。またの機会に押しましょう。
ちなみに伊賀神戸には駅スタンプがありません。
ただいま時刻は15時25分ころです。やってきた大阪上本町行き急行に乗ります。
大阪線の主要駅、名張に到着。しかしここでは降りません。名張駅には昔、ちゃんと駅スタンプがあったそうなのですが、古くなってしまったらしく今は無いそうです。
特急の通過待ちの後、発車。
急行は名張発車後、赤目口・三本松・室生口大野の順に停車し、つぎは榛原です。
あまり人が乗っていないのでのびのびできました。
榛原に到着。ここにもスタンプはないのですが、あると勘違いして下車してしまいました。榛原で気づいたのですが、ここまで乗ってきた車両、車番が2525(ニコニコ)ですね!何かラッキーな気分ですね。
ここでは幸せの青い(っぽい)鳥も発見!イソヒヨドリです。「磯」と名のついているように海岸付近を好む鳥ですが、榛原のようなド内陸にもいるんですね。
なかなか電車が来ません。特急がたくさん通過していきます。
朝に乗った伊勢志摩ライナーです。すごい迫力で通過していきます。
次にやってきた急行に乗り込み、すぐ隣の長谷寺に到着。
春には桜が咲き誇ることで知られる長谷寺駅。
あと数日で咲きそうですが、まだ開花前でした。
この駅には確実に駅スタンプがあるので、駅務室へ・・・
が、しかし・・・
コロナ禍の影響か人件費削減かで駅務室は時短営業とのことで駅員さんが居られませんでした。この駅のスタンプはきれいなので残念!というか、帰り道ここまで一個もスタンプを押せていないのですが・・・
また次の急行に乗り込み、つぎは桜井。
桜井はJRとの接続駅で立派な駅舎です。ここでようやく駅スタンプが押せました。
談山神社の十三重塔と紅葉、三輪山と大神神社の鳥居が描かれています。十三重塔はスタンプでもちゃんと13段あります。
スタンプラリーならこちらもどうですか、と駅員さんからこれも頂きました。近鉄沿線に数多ある、てくてくまっぷハイキングコースのスタンプ帳です。
近鉄沿線の観光・散策のヒントになるので重宝します。
次に、近鉄ジャンクション大和八木に到着!
改札の窓口は閉められていることが多いのでインターホンで来意を告げ、駅員さんに招き入れられ駅長室へ。駅員さんがそれぞれの仕事をされている部屋の中で椅子に座らせていただきスタンプを押します。何か悪いことをしでかしたみたいな感覚ですね(笑)。
駅スタンプには大和三山が描かれています。大和三山は耳成山、畝傍山、香具山です。
特急街道の中心地である八木、電車待ちの間にも特急が次々とやってきます。
次は国分に行きます。八木と国分の間には、近鉄下田・二上・関屋・大阪教育大前と駅スタンプがある駅がありますが、もうすぐ18時ですし、疲れたので主要駅の国分だけ寄ります。帰宅ラッシュが始まり、大阪近郊になってくると混んできて座れなくなりました。
河内国分の駅スタンプ。描かれているのは近鉄が経営していた玉手山遊園地です。河南鉄道(のちの大鉄)が1919年に開業し、大軌が開業したあやめ池遊園地や生駒山上遊園地よりも古く西日本最古の遊園地でしたが、1998年に閉園しました。このスタンプは閉園以前からのものなのでしょう。
河内国分の次は大阪線の終点、大阪上本町までそのまま行くことにしました。
堅下にも名産ぶどうのスタンプがありますが、次の機会に。あと布施にもスタンプがありますが、奈良線巡りするときにでも押しましょう。
鶴橋にはスタンプはないのかと。近鉄随一の主要駅なのですがありません。もともとあったのか、最初からなかったのか。しかし誰が押しに来るのかと思うような、観光地でもない普通の駅にあることもあるのでよくわかりません。
車内は先ほどまであんなに混んでいたのに鶴橋でほぼみんな降りてしまいました。車内は貸し切り状態に。
朝に上本町を出発してから9時間、ようやく終点大阪上本町に到着!いろいろな列車や文化財などおもしろいものを見れた一日でした。これにて近鉄大阪線スタンプ押し旅&伊賀観光編、完結です。お疲れさまでした!
【近鉄&伊賀鉄道】伊賀歴史散策編 日帰り 近鉄大阪線スタンプ押し旅&伊賀観光(3)
忍者列車 伊賀鉄道に乗車! 日帰り伊賀観光
前回はこちら↓
前回は想定外の特急課金をして、サニーカーで伊賀神戸に到着したところまででした。
今回は忍者列車で知られる伊賀鉄道に乗車して伊賀観光をしていきます。
近鉄のホームから伊賀鉄道のホームに移動します。先ほど伊勢志摩ライナーの中から見えた忍者列車がこっちを見ています。
券売機で購入したのが、こちらの「伊賀鉄道一日フリー乗車券」。740円で伊賀鉄道線が一日乗り放題となります。
切符の下地には無数の伊賀鉄道の社紋があります。
近鉄の切符の下地にも似たような社紋があります。伊賀鉄道は2007年まで近鉄線だったため、その名残として近鉄の社紋に伊賀鉄道のⅠを加えた社紋を使っています。
伊賀鉄道で運転されている車両は全車が東急電鉄から譲渡された車両を改造した、200系です。201~205編成まで存在し、内201、202、205編成が忍者列車です。忍者列車のラッピングデザインは銀河鉄道999などで知られる松本零士さんが手がけました。
初めて乗る忍者列車は緑でした。忍者列車には青、ピンク、緑がいます。
伊賀神戸を発車。伊賀市の中心、上野市駅へ向かいます。伊賀市は旧上野市とその周辺の町村と合併し2004年に誕生した市です。駅名は旧上野市の名残です。
今回、行きに乗車した205編成、緑の忍者列車は内装に三重県産の木材を取り入れた「木育トレイン」となっていましたが、乗客が多く車内の様子は撮っていません。帰りに乗車した青の忍者列車で車内は紹介します。
伊賀鉄道はすべて各駅停車で運行されています。
車掌さんが一人一人検札して回ります。のどかなローカル線の雰囲気です。
30分ほどで上野市に到着しました。
駅のホームからは上野市車庫が見えます。ちょうど、202編成忍者列車のピンクと東急色の203編成が並んでいました。
駅舎は1917年に建てられたもので、2021年に国の有形文化財に登録されました。
愛称は「忍者市駅」ですが正式名称の「上野市駅」よりも大きくアピールされています。
駅前にはメーテルと鉄郎の像があります。コロナ禍ということもあり2人ともマスクをしています。感染症対策をしっかりして旅行を楽しみましょう。
日帰り伊賀観光は上野公園の周辺である程度回ることができます。上野公園といえば東京の上野恩賜公園を思い浮かべる人も多いでしょう。あっちには博物館と動物園があり、こっちには城と忍者と松尾芭蕉がいます。
伊賀上野城の天守は1935年に完成した模擬天守で、正式名称を「伊賀文化産業城」といいます。史的考証に基づいて建てられたものではなくあくまでシンボル的な存在です。天守内部では文化財などが展示されています。
本当に価値があるのはこちらの高石垣。高さが29.7mもあり、全国3位の高さを誇ります。1,2位はいずれも大阪城で、城ごとの順位としては全国2位にあたります。上に立っている人とくらべるとその高さが分かります。
そして何より怖いのは全国有数の高さを誇っておきながら、石垣のふちにはフェンスも柵も一切ないということ。注意するようにと手前に看板があるだけです。
写真で木の葉が舞っているのが分かるようにかなり強風も吹いており恐怖感を倍増。過去には死者も出ているようです。落ちたらひとたまりもないので写真を撮ったらすぐに撤収。
自衛隊員の方が毎年石垣の除草などをしているそうです。
この高石垣は築城の名手とされる藤堂高虎が築いたものです。関ヶ原の戦い後、伊賀上野城に入城した徳川方の藤堂高虎は、豊臣方の大阪城に対抗するため城を大幅に強化しました。西面の高石垣はこの際に築かれました。天守もこの時に新たに建設中でしたが、完成前に嵐で倒壊してしまいました。その後、徳川方は2度の大坂の陣により豊臣方を滅ぼしたため、天守は必要がなくなり建造されることはありませんでした。
つぎはこちら、俳聖殿です。伊賀出身である松尾芭蕉の生誕300年を記念して1942年に建設されました。2010年には国の重要文化財に登録されました。
建物全体が芭蕉の旅姿を模したつくりになっています。屋根は笠、上層が顔、下層のひさしが蓑や衣、下層が脚や杖です。この公園内には松尾芭蕉の記念館もあります。
そして、こちらは伊賀流忍者博物館です。入館料は大人800円です(私は割引を使ったのでもう少し安くできました)。忍者屋敷ではからくりの実演を見ることができます。
実演中は動画の撮影はできませんが、写真はOKです。
ネタバレになってしまうので少しだけ紹介します。
こちら一見普通の仏壇ですが・・・
下の部分を開くと、屋敷の外までつながる地下通路の入り口が!
床には刀を忍ばせています。他にも室内を監視できる場所や抜け道、どんでん返しなどいろいろ紹介して下さります。
忍者屋敷の次は忍術体験館へ。
ここにはいろいろな忍具が展示されています。こちらも一部だけ紹介します。
おなじみの手裏剣にもいろいろな種類があり、打ち方も様々です。外では手裏剣打ち体験ができます(別途料金)。
こちらでは鉄砲(火縄銃)や大筒が展示されています。忍者はもともと火薬の扱いに慣れていたので鉄砲の扱いも熟知しており、戦国大名に重宝されたとのこと。
下の大筒は鉄片などを詰め込み一斉に発射するので一度に多数の敵を殺傷できる武器でした。またこれは木でできており、簡単に作れ、運搬もしやすく、壊れても惜しくないという特徴があるそう。
忍者伝承館という建物では、忍者の歴史や生活にかかわる物を展示しています。
こちらは忍具や忍術が記された忍術書。
中には撮影不可の貴重な文化財もあったりします。
いろいろ見て回ったあと、お土産を購入。名物のかた焼きです。日本一硬いせんべいであるこれも、元は忍者の保存食です。今は硬さは少し控えてあるようです。
上野市駅までもどって、関西本線との接続駅である終点の伊賀上野まで全線走破しても良かったのですが、時間が足りなさそうなので城下町散策をして茅町駅から伊賀神戸に戻ることにしました。
いかにも文明開化の音が聞こえてきそうな建物。1888年(明治21年)に建てられた旧上野警察署です。元は違う場所に建っていたのですが1938年に移築され、近年まで個人宅でした。今は伊賀市所有となっていて、国の登録有形文化財です。
空襲の被害が少なかった地域であり、江戸~昭和初期の建造物が残っています。城下町の雰囲気を残す場所もあり、小京都の1つに数えられています。
大正ロマンを感じる建物。旧上野文化センターです。現在はリノベーションされカフェになっています。こちらも国の登録有形文化財です。
こちらの立派な屋敷は上野に残された数少ない武家屋敷です。中では屋敷の展示や物産品の販売などが行われているそうです。こちらも国の登録有形文化財。
茅町駅の近くまで歩いてきました。ここでもう一度松尾芭蕉ゆかりの地に。
蓑虫庵は芭蕉の門人服部土芳の庵で、5つあった芭蕉庵の中で唯一現存するものです。
芭蕉庵といえば、『奥の細道』などの多くの旅の出発点となった東京(江戸)の深川のものが有名です。ちなみにこの蓑虫庵の中の池のほとりには、かの有名な「古池や 蛙飛び込む 水の音」の句碑がありますが、カエルが飛び込んだのはこの池ではなく、深川芭蕉庵のほうだそうです。違うんかい!
でも句碑は実際に深川芭蕉庵にあったものを移建したそうです。
蓑虫庵の名前の由来は、蓑虫庵の庵開きの祝いとして芭蕉が詠んだ句「蓑虫の 音聞きにこよ 草の庵」にちなんでいます。近くに大きな句碑が立っています。
というわけで、茅町駅まで歩いてきました。上野公園から2.2㎞程の散策でした。
茅町駅では上野市方面へ向かう途中の204編成「ふくにん列車 伊賀の四季号」を見かけました。ふくにんとは伊賀鉄道のマスコットキャラクターです。
その後、201編成 忍者列車の青がやってきたので乗り込みます。これで伊賀鉄道の車両はすべて見ることができました!
忍者列車の車内。網棚に忍者が乗っかっていたりします。私が座っているクロスシートは元は京阪のものだそうです。
のどかな風景を楽しみつつ伊賀神戸へ。窓に貼ってあるマークで分かりますが、車内でフリーWi-Fiが使えるようです。
忍者列車とはお別れです。
ここからは近鉄に乗り換え、近鉄の一般車でスタンプラリーしながら大阪上本町まで戻ります!
次回(大阪線主要駅スタンプラリー編)へつづく
【近鉄&伊賀鉄道】日帰り 近鉄大阪線スタンプ押し旅&伊賀観光(2)
伊勢中川から伊賀神戸へ ミジュマルとの出会い 想定外の特急課金
前回はこちら!↓
前回は、伊勢志摩ライナーで大阪上本町から伊勢中川まで大阪線を走破したところで終わりました。今回は、伊勢中川から伊賀鉄道の接続駅である伊賀神戸に向かうところです。
伊勢志摩ライナーは伊賀神戸にも停まるんだから、伊賀に行くのならどうして伊賀神戸で下りずに伊勢中川まで来たのか、と思われたかもしれません。今回は大阪線の駅スタンプを集めるということもやりたいと思い、わざわざ大阪線の終点まで来たというわけです。帰りは大阪上本町まで特急を使わず、一般車両で主要駅をスタンプラリーするような形で進めていきます。
伊勢中川では「ミジュマルトレイン」に出会いました。ポケットモンスターのミジュマルは2021年12月に「みえ応援ポケモン」に任命され、今年1月からミジュマルがラッピングされた列車が運行しています。
ミジュマルトレインを見た後、スタンプを押すため改札まで行って駅員さんに訊こうととしたところ、駅員さんが乗客の応対に忙しそうでした。スタンプを押していると次に乗る列車の時間に間に合わないと判断し、諦めて東青山行きの普通(各停)に乗り込みました。伊勢中川まで行った意味がなくなってしまいましたが、伊勢志摩方面でしか見ることができないミジュマルトレインを見る機会ができたので十分満足です。それに、まだ一般車両で大阪線を走破する目標は残っています。
伊勢中川から普通 東青山行きに乗車。車内はかなりすいています。ほぼ貸し切り状態。このような機会でないと東青山行きは乗ることがないので貴重な経験です。このあと榊原温泉口まで行って急行に乗り換えます。
榊原温泉口に到着。5分ほど急行を待つ時間があります。この駅にもスタンプがあるということで、ぱっと押してきましょう!
駅員さんに尋ねると「少しお待ちください」とのこと。他の駅よりもスタンプを押しに来る人は少ないのでしょうか、駅員さんはスタンプを探しに駅務室に入ったきり、なかなか出てきません。
と、そこに急行が入ってくる音が・・・
ガタンゴトン・・・完全に乗り遅れてしまいました!
その後、「お待たせいたしました!」とスタンプを手に戻って来られた駅員さん。私は「いいえ、とんでもないですわざわざありがとうございます。」とお礼。かなり探してくださったので改めて感謝の意をここに記します。ありがとうございました。
こちらが駅スタンプです。
ともかく乗り遅れてしまったので、時刻表で次の列車が来る時間を調べると、普通列車が30分後くらいに来るとのこと。それに乗っても伊賀観光の時間が減ってしまうので特急課金をすることにしました。
大阪線を一般車両で走破する目標も達成できないことになりました。まあ、またの機会にやりましょう。
しばらくしてやってきたのは大阪難波行き 特急サニーカーです。スナックカー引退後はサニーカーが古参の特急となっており、一度乗りたいと思っていたのでちょうどよかった!意気揚々と乗車。
特急停車駅としては伊賀神戸は榊原温泉口の隣の駅となります。特急料金は520円。少しもったいない気もしますが、青山越えで駅間の距離が離れているので20分近くの乗車。
柿色と紺色の塗分けだったころの近鉄特急の面影を残しているのはサニーカーだけです。座席にはスナックカーを思い出す網袋、ひじ掛けの先端から引き出す形のテーブルなど・・・
伊賀神戸に到着!わずかな間の乗車でしたが、なかなか良かったです。
これから伊賀鉄道に乗車します!
次回 (伊賀観光編)へつづく
【近鉄&伊賀鉄道】日帰り 近鉄大阪線スタンプ押し旅&伊賀観光(1)
伊勢志摩ライナーに乗車 伊勢中川へ
2022年3月、春休みということで近鉄を使っていくつか旅行をしました。
そのうちの一つ、「日帰り 近鉄大阪線スタンプ押し旅&伊賀観光」の記録。
今回の旅行で使用するのが「近鉄全線3日間フリーきっぷ」。近鉄全線を3日間乗り放題できる切符です。価格は3000円、このシーズンは2021年10月4日から2022年3月28日まで発売されていました。これがあれば近鉄の広大な路線網、大阪・奈良・京都・吉野・伊勢志摩・名古屋など、どこへも行ける優れものです。(特急券は別途購入)
今日の日帰り旅の始まりは大阪上本町。改札を通り、ホーム内に入ります。
大阪上本町の地上ホームは頭端式ホームとしては全国3位の規模の規模を誇ります。しかし花形の名阪特急や伊勢へ向かう阪伊特急の多くは地下ホームで発着しており、最盛期と比べると落ち着いた雰囲気となっています。それでも長大な路線である大阪線の起点として今も重要なホームです。
今回の旅行の目的の一つ、スタンプ押しをします。
近鉄にはスタンプを置いてある駅があります(置いていない駅も多く事前に調べたほうがいいです!)。
スタンプは改札近くの駅務室や駅長室に置いてあることが多いので駅員さんに尋ねましょう。
さあ入ってきました!今回乗車するのは特急 伊勢志摩ライナー 賢島行きです。今日は伊勢中川までの乗車です。ちなみに伊勢志摩ライナーには初乗車します。
伊勢志摩ライナーにはレギュラーシートとデラックスシート、そして後述するサロンカーのツインシート(2人用)、サロンシート(3~4人用)があります。
今回私はデラックスシートに座ります。レギュラーシートもデラックスシートも実は座席の前後間隔の大きさは変わらないのですが、デラックスシートには座席を区切るセンターアームレスト(ひじ掛け)があり、座席の横幅も広いのでゆったり座れます。コンセントも一人一つあります。
こちらがサロンカーにあるツインシートとサロンシートです。窓がとても広いので眺望は抜群。2人~4人で乗車するときはこちらがおすすめです。
9時13分、大阪上本町を発車。せっかくなので前面展望を見に来ました。伊勢志摩ライナーは座席から直接全面展望を見ることはできませんが、先頭のデッキで見ることができます。
鶴橋を発車すると複々線の区間となり、列車の並走やすれ違いを見ることができます。
それでは自席に戻りましょう。私の席があるデラックスカーは最後尾なので先頭から戻るのは大変でした(笑)。
席に戻る途中にSea Side Cafe(シーサイドカフェ)がありましたが、残念ながら営業はしていません。かつては車内販売の基地として活躍しました。今は飲料などが自販機で販売されています。
鶴橋発車後、列車は大和高田、大和八木の順に停車。八木を発車するとのどかな車窓風景が広がります。手前に見えるのは初瀬川(大和川の上流)です。川沿いにそって急勾配が続きます(最大33.3‰)。
列車は宇陀市の中心、榛原駅に到着。ここから名張まで、また山間部を通ります。
山間部で宇陀川を渡ると三重県に入ります。徐々に坂を下っていき盆地の風景に。名張の市街地が見えてくると、すぐに名張駅に到着。
甲特急(速達)と特急しまかぜを除く全列車が停車する名張駅。準急などはこの駅までです。
ここでは列車の切り離しを見ることができました。名張は大阪線の折り返し地点であり、折り返す列車とまだ先へ行く列車の切り離しをやっています。この時切り離しをやっている列車は「伊勢志摩お魚図鑑」(行商専用車両)が連結された列車でした。
次に停車するのは伊賀神戸。ここは忍者列車で知られる伊賀鉄道との接続駅です。忍者列車の視線を感じますが、今はいったんスルーします。午後にお世話になります。
伊賀神戸を発車、青山町などを過ぎるといよいよ青山越え(布引山地)の区間となり人家もほとんどないようなところを走ります。近鉄で一番乗降客が少ないことで知られる西青山を過ぎると新青山トンネルへ。
新青山トンネルは長らく私鉄最長を誇っていた、全長5652mの長大なトンネル。ここが関西と東海の地理的な境界となっています。近鉄も大阪輸送統括部と名古屋輸送統括部はここで分けられています。
トンネルを抜けるとものすごい勢いで坂を下ります。景色も山間部から平野の風景へあっという間に変わります。
田畑の広がる平野まで下りてくるともうすぐ伊勢中川です。伊勢中川の手前で中川短絡線が分岐します。
中川短絡線は名阪特急が伊勢中川を経由せずに通過するための単線です。ここは大阪線・名古屋線・中川短絡線のデルタ線となっています。デルタの中には赤福などの名産品、観光地の看板が立ち並んでいます。最近ここに中川デルタ線を絶賛する、某有名YouTuberの看板が加わりました。
伊勢中川に到着!大阪線の終着駅です。暴力的な数の赤福の広告が立ち並んでいます。線路は伊勢志摩へまだ伸びていますが今日はここで折り返します。まだ先の賢島まで行く伊勢志摩ライナーをお見送り。
次回(伊賀神戸へ編)へつづく
旅行記ブログを開設しました
ブログ開設記念
旅行初心者の私がこれから旅行していくにあたって、その旅行記録を残したいと思い、このたびブログを開設するに至りました。
近鉄沿線に在住ということもあり、これまでは近鉄線内で旅行を楽しんできました。それもここ数年に始めたことでして、近鉄線外についてはまったくの初心者であります。
今年(2022年)初夏には大阪から東京まで新幹線で、東京から高松までサンライズ瀬戸で、讃岐うどんを食べて在来線で大阪に帰るという旅行をしました。私にとっては新幹線に乗るのも初めて、ましてや寝台特急などは憧れの対象でしたので、新鮮な感覚に満たされるようでした。
そういった旅行の記憶を残し、後々になって振り返るために本ブログを開設します。
2022.8.3