旅行初心者がゆく 旅ぶろぐ

鉄道旅行を中心に旅行の記録を載せます。 不定期更新(主に休日に投稿します)。

【近鉄】さくらライナー初乗車! さくらライナーで行く 吉野 林業の町(1)

さくらライナーに初乗車!大阪阿部野橋から吉野へ

大阪阿部野橋 改札前

おはようございます!本日はさくらライナーに乗車して吉野に行こうと思います。

前回の「日帰り 近鉄大阪線スタンプ押し旅&伊賀観光」の2日後です。

こちら↓

kintetsu-tabi.hatenablog.com

近鉄全線3日間フリーきっぷ

本日も近鉄全線3日間フリー切符を使っていきます。1日目は大阪線スタンプ押し・伊賀観光編で使い、休息に1日空けて、今日の使用となります。休息日には大阪駅に「懐鉄入場券」を買いに行っていました。

大阪阿部野橋

大阪阿部野橋近鉄南大阪線の起点駅。近くにはJR・大阪メトロの天王寺駅阪堺電車天王寺駅前駅などがあり徒歩で乗換ができますが、他の近鉄線や他社線と直接つながっている駅でないにもかかわらず、その乗降客数は近鉄一・二を争います。大阪の南の方からくる乗客はみんなこの駅で降りるからでしょうか。

調査年度によっては鶴橋駅が一位になることもあります。

 

難波や名古屋よりも多い

特急16000系

少し早めに乗り場に行ったら回送の特急車両16000系がいました。1965~77年にかけて製造されましたが今も現役です。一部は大井川鉄道に譲渡され、旧塗装のまま普通列車として頑張っています。

「特急」のヘッドマークが自慢げについています。他の特急は方向幕も一緒についているのですが、この系列にはないので、乗務員室の台に置かれたボードで示しています。更新の際もこの部分が変えられることはありませんでした。

この編成は唯一の4両固定のものらしいです。珍しいものを見れたようです。

 

発車標

私が乗るさくらライナーの1時間後に青の交響曲が出発するようです。

 

さくらライナー入線!

さあ、さくらライナーがやってきました!4両固定です。思っていたよりフロントガラスが大きいですね!デッキからの展望も良さそうです。

近鉄SLといえばさくらライナーSakura Liner)!

折り戸ドアが開き、車内へ

ドアが開きました。早速乗り込んでみましょう。

さくらライナーは折り戸式ドアを採用した最後の近鉄特急です。

デラックスシート
レギュラーシート

さくらライナーにはデラックスシートとレギュラーシートがあります。デラックスシートは2+1列、レギュラーシートは2+2列の並びとなっています。どちらもゆりかご式リクライニングシートで個人の空間が確保されています。また座席の前後間隔もどちらも同じとなっています。

今回乗車したのはレギュラーシートです。レギュラーシートでもコンセントがあり、背面テーブルや、ひじ掛け内蔵のテーブルなど充実したシートとなっています。

吉野特急は特急料金の距離加算がないので、南大阪線吉野線区間はどこまで行っても特急料金は一律520円(レギュラー)です。これは通勤需要や飛鳥地区の観光客を新たに獲得するために90年代に特急停車駅が大幅に増やされたことで、運賃のみで乗車できる急行とほぼ同じ所要時間となったからです。

吉野行き急行

・吉野特急→所要時間:1時間15分 運賃990円 特急料金520円(レギュラー)

・吉野行き急行→所要時間:1時間35分 運賃990円

 

大阪阿部野橋を発車

大阪阿部野橋を発車。今回も前面展望を見に来ました!アーバンライナー伊勢志摩ライナーと同じく、座席からではなくデッキから前面展望を見ることができます。視界がとても広いですね。

大阪阿部野橋発車後はしばらく高架区間。大阪南部の住宅街の中を南へ駆け抜けます。

ワイドな前面展望

大和川を渡る

大和川を渡るとしばらくして高架区間が終わり、線路は地上に下りてきます。布忍を過ぎると、大きく左へカーブして東へ向かいます。

 

藤井寺駅を通過

南大阪線で乗降客数が2番目に多い、主要駅の藤井寺を通過。普通列車(各停)の多くがこの駅までです。その他の普通列車(各停)は古市までです。

藤井寺の先は全国有数の古墳密集地帯を通ります。この辺で車窓から小さな山や丘のようなものが見えたらそれはたいてい古墳です。

古墳古墳古墳古墳古墳古墳古墳古墳・・・

藤井寺の次の土師ノ里(はじのさと)を過ぎると南大阪線で一番の大カーブを曲がります。特急もかなりスピードを落とします。これは元からあった道明寺線南大阪線が後付けで合流するようにしたため、生まれたカーブです。カーブを曲がりきると道明寺駅です。道明寺線(終点:柏原)が分岐します。

南大阪線最大のカーブ

カーブを過ぎると道明寺

道明寺のつぎは古市です。

古市は南大阪線で4番目に乗降客数が多い駅で急行の最初の停車駅です。特急は一部を除いて停車しません。さくらライナーも通過します。

列車の切り離し

この駅から長野線(終点:河内長野)が分岐します。そのため、長野線に行く列車の切り離しがよく行われます。今回も通過中にその様子を見ることができました。南大阪線では、切り離される列車にぼーっと乗っていると罠が発動してどこかに連れていかれることがあるので気を付けましょう。

古市駅

本線である南大阪線がカーブし、支線である長野線が直進する

古市を出ると南大阪線は大きく左へカーブして直進する長野線と分岐します。これも先ほどの道明寺カーブと同様、長野線が先に完成していた路線だからです。

 

南阪奈道路と並走

古市を過ぎると、列車は奈良県へ向けて山越えを始めます。上ノ太子の手前から右側に並走しているのは南阪奈道路です。

山越えの区間

上ノ太子観光みかん園

上ノ太子にはみかん園があり、数年前に一度行ったことがあります。みかん狩りの季節になると近鉄の駅などに割引券付きのチラシが置いてあることがあります。駅前からみかん畑までバスが出ています。

日を浴びるみかん

屯鶴峯

次の二上山駅の近く(近くといっても2kmほど離れている)には奈良県指定天然記念物の屯鶴峯があります。1000万年以上前の二上山の火山活動によって堆積した火山噴出物が水中に堆積し、それが隆起・風化してできた貴重な地形です。この時は大学生が調査か何かをされていました。こちらもみかん狩りの際に立ち寄りました。

 

右手には二上山

穴虫峠を越えて奈良県に入りました。奈良盆地に入ると畑が広がるのどかな風景となります。右手には双耳峰の二上山が見えます。大昔、二上山のサヌカイト(讃岐岩)は石器に使用されていました。今も周辺から遺跡や石器が発見されています。

 

最初の停車駅 尺土駅

車窓に住宅街が現れてくると、最初の停車駅である尺土に到着。尺土からは御所(ごせ)線が分岐します。南大阪線はその誕生経緯から支線が多いので面白い路線です。

尺土を出ると大和高田の市街地へ向けて走ります。つぎは高田市に停車。

高田市発車後

高田市を発車すると市街地をはなれ、田畑の風景が戻ってきます。

しばらくして左手に橿原神宮の森林、右手に住宅街が広がるとまもなく橿原神宮前です。

橿原神宮前に到着

橿原神宮前

南大阪線の終点はここですが、急行の一部や特急はこの先の吉野線へも進みます。橿原神宮前は帰りにも寄るので紹介はその際に。

さくらライナーの車内

橿原神宮前を発車。いよいよ列車は吉野線に入ります。

飛鳥駅に到着

吉野線最初の特急停車駅、飛鳥駅です。この駅から高松塚古墳石舞台古墳などの古代歴史散策ができます。岡寺など寺巡りも。近鉄の「てくてくマップ」を見るのがおすすめです。

 

壺阪山駅に到着

つぎに停車するのは隣の駅、壺阪山です。高松塚古墳と並んで壁画で有名なキトラ古墳の最寄り駅です。

 

単線をゆく

壺阪山を出て西にカーブしてしばらくすると、直線的な線路が続きます。ここでは特急が最高速を出すことができるようです。

もうすぐ吉野口

右手に砕石場の剥き出しの山肌が見えてくるともうすぐ吉野口です。JR和歌山線が隣に合流してきました。

JR和歌山線が合流

吉野口駅に到着

JR仕様の駅名標(帰りに撮影)

吉野口駅JR西日本近鉄共同使用駅で、JR西日本が管轄している駅です。そのため、駅名標はJR仕様です。窓口もJR西日本に委託してあります。また2番のりばの大阪阿部野橋方面と3番のりばの五条方面は同じホームで相互に乗換ができる、珍しい駅です。

吉野線の前身、吉野鉄道(開業時は吉野軽便鉄道、1913年に改称)は吉野口-吉野(現 六田)間で1912年開業。吉野杉の貨物輸送の際、この駅で省線和歌山線に乗り入れていました。その後、吉野線では1984年まで貨物輸送が行われていました。

 

吉野川へ向け山越え

奈良県内の近鉄線で最も乗降客数の少ない駅 薬水駅

吉野口駅を出発すると、吉野川沿いへ向け山を越え始めます。奈良県内の近鉄線で最も乗降客数の少ない駅である薬水駅(85人/日・2018年)を通過。

まるで登山鉄道

 

このあたりでは山の間を縫うように走行するのでまるで登山鉄道かのような展望をみることができます。細かいカーブが多いため、低速で走行します。

簡易シート

ちなみに前面(と後面)展望を見ることができるデッキには簡易シートが設置されており、座ることができます。他にも見たい人がいるかもしれないので、座れるからといってずっとかぶりついて見るのはやめた方がいいでしょう。

 

福神駅に到着

次に福神駅に到着です。近くに花吉野ガーデンヒルズがあることから駅舎は英国田園風だそうです。なるほどおしゃれな駅舎です(写真が悪くもったいない!)。

吉野口~六田

山を越え、下市口の近くに来ると木々の間に吉野川が見えてきます。

吉野川が見えてきた

下市口駅に到着

下市口駅に到着。下市口は吉野川対岸の下市町の入り口ということから名づけられました。かつて下市は吉野の商業中心地でしたが林業が衰退し人口が減ってしまい、今ではこの駅のある大淀町のほうが大きくなっているそうです。

 

六田駅に到着

下市口からは吉野川沿いを走りますが、しばらくは川との間に林や住宅などがあるのでまだはっきりと車窓に川が見えるような感じではありません。下市口の次に停車するのは六田駅です。

無駄ではありません六田です

無駄、無駄となにかと駅名をイジられる六田駅ですが、その役割は決して無駄ではありませんでした。吉野鉄道時代はこの駅こそ終点(開業時)の吉野駅」であり、大きなホームや機関庫を抱える駅でした。今もその痕跡は六田車庫に残されています。

古市検車区 六田車庫

車庫に残されたホームの跡

吉野鉄道は1928年に吉野駅(現 六田駅)から現在の吉野駅までの延伸を果たします。その際にこの駅は六田駅に改称されました。そして吉野鉄道は大軌と大鉄の競争の末、大軌が吉野鉄道と合併、現在の近鉄吉野線となりました。

 

吉野の市街地がみえる

六田を発車すると吉野川とその周りの市街地がよく見えるようになります。

吉野の街を一望

山手にある大和上市に向け標高を上げるので景色がとてもよく見えます。

トンネルを抜けると大和上市に到着。大和上市へは後で訪れます。

大和上市に到着

大和上市を出るといよいよ最大の見どころ、吉野川を渡ります。

吉野川を渡る!

吉野川橋梁(後で撮影)

吉野川橋梁は1928年に吉野鉄道が吉野駅まで延伸する際に架けたプラットトラス橋です。下から見るとかなりの迫力があります(次回以降紹介)。

吉野川を渡る!

吉野川を渡りきるとすぐに吉野神宮に到着します。ここも後で訪れます。

吉野神宮駅に到着

吉野神宮からは吉野へ向け、吉野川沿いを離れて山中を進みます。

もうすぐで吉野駅

駅舎が見えてきた

ホームに滑り込む

吉野駅 到着!

吉野駅さくらライナー

大阪阿部野橋から1時間15分ほどの乗車で、終点の吉野駅に到着しました!

次回は吉野駅について紹介します。